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「戦争法案」の強行成立について

―民主主義と生活を守るために声をあげつづける―

 安倍政権は、9月19日に参議院本会議で「戦争法案」(安保法制)の採決を強行しました。
 「戦争法案」に対して世論調査で過半数が「反対」し、憲法学者や元最高裁判所長官などから繰り返し「憲法違反」と批判の声があがり、全国各地でデモや抗議行動が行われてきました。また、国会を過去最長延長したにも関わらず、国会閉会間際になっても「十分に説明しているとは思わない」という人が9割を超え、よくわからないうちに大事なことが決められようとしていることへの不安と批判の声が沸き起こりました。
 安倍政権が批判に耳を傾けず、十分な説明も尽くさず、答弁を二転三転させながら採決を強行したことは断じて許されません。まして、現在、「一票の格差」で違憲状態にある国会議員が、違憲と指摘されている法律をつくることは二重の意味で民主主義と立憲主義を壊すものです。
 SADLは、「戦争法案」が、戦後70年間築き上げてきたこの国の形を根底から覆すものであると問題にしてきました。6月以降フライヤー配布やデモ、トークイベントにとりくみ、特に路上の声を直接、国会議員に届ける活動を大事にしてきました。
 活動の中で、「デモをやっても意味はない」「どうせ与党が多数だから可決される」という声もありました。しかし、全国各地で、「戦争法案」に反対する有志グループや学者の会、ママの会などが無数に立ち上がったことや、大阪において安倍首相が維新の党を「戦争法案」賛成に取り込むために支援した「大阪都」構想の住民投票で反対が多数になったことは、国会審議に影響を与えて、夏までに成立できると考えていた安倍政権の目論見を大きく狂わせました。
 抗議行動の広がりと野党共闘が強まった結果、与党は特別委員会で議員の質問権も表決権も奪って強行せざるをえないところまで追い込まれたのです。
 この活動を通じて、一人ひとりが声をあげることは無力ではなく政治を動かす影響力を持つと私たちは実感しました。政治の主役は政治家ではなく、主権者である私たち一人ひとりです。この「戦争法案」反対のとりくみの中で、「初めてデモに参加した」「初めて国会議員に電話した」という人が数多くうまれています。法案が強行されてからも京都での高校生デモをはじめ、各地でさまざまな人たちが声をあげ続けています。
 これは始まりです。私たちは民主主義と生活を守るために声をあげつづけます。そして、「戦争法案」を強行成立させた安倍政権を必ず打倒します。

2015年9月25日

SADL(民主主義と生活を守る有志)

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